タイ米騒動 「タイ米はまずい!?」 | トップへ戻る |
平成5年から6年にかけて日本で起きた「タイ米騒動」。
まだ記憶に残っている方も多いことと思う。
いまだに「タイ米」と聞くと、イコール「まずい米」と思っている方が多いらしく、なんとも悲しいことである。
逆にタイ人は同じコメ民族の「日本人」に対してあの騒動以降不信感を抱いている人が少なくないという。
タイ米はインディカ米である。そもそも日本の食文化と合わせるコメではない。炊 き方だって違う。それを日本人たちは、自国のコメ評価基準をそのまま持ち込んで、タイ米を判断した。
そこにはマスコミの「タイ米批評」が先導役を担っていたことは間違いない。
もともと全く種類の違うタイ米を日本米と同じように批評し、タイ米の本来の美味しさをあまり伝えることなく、「タイ米はレベルが低く、まずい」という宣伝をしてしまった。マスコミによって先入観を植え付けられた日本人は結局食べる前から「タイ米は美味しくない」という結論に達してしまっていた。
もし、日本米がある国から「粘々していて、変なコメの匂いがして美味しくない」とか批評され、抱き合わせ販売や不買運動が起こったらどう思うであろう。
タイ米は世界各国に輸出される前に厳しい検査が行われている。コメ輸出のライバル国はアメリカだそうである。タイはそのライバルに負けないように、必死なのである。あの騒動のとき、日本に輸出されたコメは他国への輸出よりもはるかに厳しい検査をパスして輸出されていたのである。しかもその検査をしていたのは日本企業だったそうである。
当然であるがタイ料理として食べるタイ米はおいしい。私は個人的にイサーン(タイ東北)地方のカオニィアオと言う名前のもち米が大好きである。カオニィアオにはあの
騒動の時に紹介されなかったタイ米の違った魅力も持っている。
日本人にとっての日本米の関係と同じように、タイ人にとってタイ米は料理史上とても大切なものなのである。タイは世界に誇るコメ輸出の超大国である。
世界100カ国以上にも輸出されているタイ米は世界のコメの味である。今でも「タイ米だから…」と言って馬鹿にするのは日本人ぐらいだけなのではないだろうか。